あなたは、卓球の世界ランキングの決め方をご存知ですか?
卓球に限らず、世界ランキングは、その選手の強さの指標でもあります。世界ランキングの決め方はスポーツによって異なりますが、卓球もポイント方式なのでしょうか?
今回は、卓球の世界ランキングの決め方について説明しますね♪
目次
卓球の世界ランキングの決め方は?
卓球の世界ランキングの決め方は、ITTF(国際卓球連盟)によって、指定された大会で獲得できるランキングポイントの総合点の順位によって決定されます。
ランキングポイントは以下のような計算になります。
ランキングポイント=レーティングポイント+ボーナスポイント-ペナルティポイント |
レーティングポイントとは?
レーティングポイントは、ITTFに指定された大会で1試合ごとに変化します。勝利すれば増えますし、敗北すれば減ります。このレーティングポイントの増減する値は、対戦相手や大会の格付けの差によって異なります。
卓球にも格付けがあり、R1/R2/R3のレーティングがあります。
R1
- オリンピック競技大会
- ユースオリンピック競技大会
- 世界選手権大会(個人・団体)
- 世界ジュニア選手権大会(個人・団体)
- ワールドカップ(個人・団体)
R2
- ITTFワールドツアー
- ITTFグローバルジュニアサーキット
- ITTFワールドカデットチャレンジ
R3
- 大陸選手権大会
- 大陸カップ
- 総合競技大会
- 大陸ジュニア選手権大会
- 地域大会
- その他国際オープン大会
レーティングポイント増減一覧
レーティングポイントの増減を一覧にまとめました。当然、レーティングポイントが上位の選手が勝利する場合と、下位の選手が勝利する場合があります。
レーティングポイントが上位の選手が勝利した場合
格付け | R1 | R2 | R3 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
レーティング ポイントの差 |
勝者 加点 |
敗者 減点 |
勝者 加点 |
敗者 減点 |
勝者 加点 |
敗者 減点 |
751~ | +0 | -0 | +0 | -0 | +0 | -0 |
501~750 | +1 | -1 | +2 | -1 | +2 | -1 |
401~500 | +2 | -1 | +3 | -2 | +4 | -2 |
301~400 | +3 | -2 | +5 | -3 | +6 | -3 |
201~300 | +4 | -2 | +6 | -3 | +8 | -4 |
151~200 | +5 | -2 | +8 | -4 | +10 | -5 |
101~150 | +6 | -3 | +9 | -5 | +12 | -6 |
51~100 | +7 | -4 | +11 | -6 | +14 | -7 |
26~50 | +8 | -4 | +12 | -6 | +16 | -8 |
1~25 | +9 | -5 | +14 | -7 | +18 | -9 |
レーティングポイントが下位の選手が勝利した場合
格付け | R1 | R2 | R3 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
レーティング ポイントの差 |
勝者 加点 |
敗者 減点 |
勝者 加点 |
敗者 減点 |
勝者 加点 |
敗者 減点 |
750~ | +40 | -20 | +60 | -30 | +80 | -40 |
500~749 | +36 | -18 | +54 | -27 | +72 | -36 |
400~499 | +32 | -16 | +48 | -24 | +64 | -36 |
300~399 | +28 | -14 | +42 | -21 | +56 | -28 |
200~299 | +24 | -12 | +36 | -18 | +48 | -24 |
150~199 | +20 | -10 | +30 | -15 | +40 | -20 |
100~149 | +16 | -8 | +24 | -12 | +32 | -16 |
50~99 | +14 | -7 | +21 | -11 | +28 | -14 |
25~49 | +12 | -6 | +18 | -9 | +24 | -12 |
0~24 | +10 | -5 | +15 | -8 | +20 | -10 |
ボーナスポイントとは?
ボーナスポイントは、大会の格付けと大会の成績で決まります。ちなみに、このボーナスポイントは1年で消滅します。ボーナスポイントは、ボーナスポイントの格付けがあります。(B1~B5)
B1
- オリンピック競技大会(予選は除外)
- 世界選手権大会(個人)
B2
- ワールドカップ(個人)
- ITTFワールドツアー(グランドファイナル)(U21種目は除外)
- ITTFワールドツアー(スーパーシリーズ)(U21種目は除外)
B3
- ユースオリンピック競技大会(予選は除外)
- 世界ジュニア選手権大会(個人)
- ITTFワールドツアー(メジャーシリーズ)(U21種目は除外)
- 大陸選手権大会
- 大陸カップ
B4
- ITTFワールドツアー(チャレンジシリーズ)(U21種目は除外)
- ITTFグローバルジュニアサーキット
- ITTFワールドカデットチャレンジ
- 総合競技大会
- 大陸ジュニア選手権大会
B5
- 地域大会
- その他国際オープン大会
ボーナスポイント一覧
格付け | B1 | B2 | B3 | B4 | B5 |
---|---|---|---|---|---|
優勝 | 72 | 54 | 36 | 18 | 9 |
準優勝 | 64 | 48 | 32 | 16 | 8 |
3位 | 56 | 42 | 28 | 14 | 7 |
ベスト4 | 48 | 36 | 24 | 12 | 6 |
ベスト8 | 40 | 30 | 20 | 10 | 5 |
ベスト16 | 32 | 24 | 16 | 8 | 4 |
ベスト32 | 24 | 18 | 12 | 6 | 3 |
ベスト64 | 16 | 12 | 8 | 4 | 2 |
ベスト128 | 8 | 6 | 4 | 2 | 1 |
ペナルティーポイントとは?
ペナルティーポイントとは、試合をドタキャンした場合に減算されるポイントです。大会にエントリーして、キャンセル締切日時までにキャンセルしなかった選手が棄権した場合、25ポイント課されます。オリンピック予選の場合は、特別で75ポイント課されます。
ペナルティーポイントは、ボーナスポイントと同様、1年で消滅します。
新規世界ランキング選手の登録はどうなってる?
まだ世界ランキングを持っていない選手は、世界ランキングを持っている選手に4勝すると、勝利した選手の最も高い選手のレーティングからマイナス10ポイントのレーティングが初期レーティングとなります。
また、4勝目を挙げたときから過去1年間の敗戦分が、初期レーティングから減算されます。初期レーティングには下減があり、200ポイントとなります。
過去1年間の敗戦分で、200ポイントを下回った場合は、200ポイントになるということですね。
2018年1月から卓球の世界ランキングの決め方が変更になる!
上で説明した卓球の世界ランキングの決め方は、現行のものですが、来年2018年1月からは新しい世界ランキングの決め方になります。
どこが変わるのかと言いますと、以下の点です。
- 対戦相手とのレーティングの差に関係なく、大会の最終順位に準拠する。
- 現行システムのボーナスポイントのみ与えられ、レーティングポイントは与えられない。ポイントは基本的に、1年間有効。ただし、例外として、オリンピック競技大会は3年有効、世界選手権大会は2年有効。
- 敗戦してもポイントが減らされることはない。
- 年齢カテゴリー(U21/U18/U15)ごとに、それぞれのランキングリストとなり、計算はそれぞれの年齢カテゴリーの成績のみ考慮される。
- 年間の結果のうち、良い結果のほうから8つが計算対象となる。ただし、大陸大会は1つのみとする。
- 大会にエントリーして、キャンセル締切日時までにキャンセルしなかった選手が棄権した場合、その大会は8つの結果のうちの1つとして扱われ、0ポイントとして計算される。
- 選手が故障や健康上の問題で、活動しない期間が6か月経過した場合、所属協会は特別シードを申請できる。
- 年齢カテゴリーの大会に常時出場しない選手が、その年齢に該当する大会に出場する場合、所属協会は特別シードを申請できる。
- ダブルスランキングの計算は変更がなく、大陸大会の結果を含む最良結果8つの大会を基に計算される。
新しい世界ランキングの決め方に変更されることで、世界ランキングの順位に変動がありそうですね。現行では対戦相手とのレーティングポイントの差によって、獲得ポイントが違いましたが、それが関係なくなります。
また、ドタキャンによるペナルティーは、現行より厳しくなりそうな印象です。チームランキングの計算方法はまだ公開されていませんが、今月中にも公開されるという話です。
まとめ
- 卓球の世界ランキングの決め方は、ITTF(国際卓球連盟)によって、指定された大会で獲得できるランキングポイントの総合点の順位によって決定される。
- ランキングポイントには、レーティングポイント、ボーナスポイント、ペナルティポイントがあり、「ランキングポイント=レーティングポイント+ボーナスポイント-ペナルティポイント」で計算される。
ちなみに、昨年のリオ五輪では、北朝鮮のキム・ソンイ選手が世界ランキング50位にも関わらず、各上である福原愛選手に4-1で勝利しており、銅メダルを獲得しています。
北朝鮮は国際試合にあまり出さないようで、国内でトレーニングを積む育成方針のようですね。こういった場合は、世界ランキングが低くても、強い選手はいるんでしょうね。
また、中国では、強い選手がゴロゴロしますが、国際大会の出場枠は限られているため、出場機会が得られず、世界ランキングを上げることができない選手も多いようです。