妊婦さんにとってとっても大切な水分補給。
妊娠をきっかけに「水」について意識しはじめるママさんも多いと思います。
体内の水分が不足すると、脱水症状をはじめ様々なマイナートラブルを起こしてしまいます。
「たくさん水分を摂った方がいいって言うけど、どのくらい飲むのがいいんだろう…。」
と不安や疑問に思ってはいませんか?
そこで今回は、妊娠中の水分補給にオススメの飲み物とあわせて、妊婦さんの水分補給の重要性について見ていきたいと思います。
多くの妊婦さんが妊娠後「水分」を意識している!
私たち人間のからだの約6割(60%)ほどが水分で出来ているということは、多くの人がご存知かと思います。
なので、私たちのからだには普段から水分が必要なことは、誰しもが少なからず意識していることになります。
でも、妊娠をきっかけとしてさらに『水分』が重要になることを知っていましたか?
そこで妊婦さんに【妊娠後「水」を意識していますか?】【水分補給について不安や疑問はありますか?】という2つのアンケートをとりました。
アンケートの統計の結果、グラフをみてもらうと分かりますが、妊婦さんの6割以上の方は水分についてしっかりと意識をされているようです。
そして「YES」と答えた妊婦さんのうち、「水分を意識していても実際にどうすればいいのか分からない」と感じている人が、8割以上もいることが分かりました。
「意識はしているけど、どうすれば…」
という疑問を解決するためには、正しい知識を理解することが一番!
ということで、妊婦さんのからだとお腹のベビーのために、『妊娠中の水分補給』についてしっかり覚えておきましょう。
妊婦さんにはこまめな水分補給が不可欠!
なぜ妊婦さんにとって、ここまで水分補給が欠かせないのでしょうか?
「たくさん水分を摂っても、どうせおしっことして全部出てしまうし、頻尿やむくみの原因になったりしない?」
という声が聞こえてきそうですね。
意外と知られていないのが、
『妊娠中の血液量はそれ以前よりも40%~50%も増える』
ということ。
お腹の赤ちゃんの成長のために増加した血液量とあわせて、血液循環量も大幅に増加しますので、大量の血液をスムーズに送るためには、妊婦さんのからだへの水分補給が重要になってくるわけですね。
では、具体的にはどのような理由で水分補給が不可欠になるのでしょうか?
妊娠中の脱水症状は危険!
「妊娠してからからだが火照りやすくなった気が…」
「妊娠してから汗っかきになったような…」
と感じてはいませんか?
妊婦さんは、自分自身の代謝だけでなく、お腹の中の赤ちゃんの代謝も行っていますので、通常よりも汗をかきやすい体質に変化しています。
今まで通りの水分補給を続けていると、出ていく水分は増えているのに、入ってくる水分が少ない為に脱水症状を引き起こしてしまうこともあります。
喉が渇いたな…と感じた時にはなんと!
私たちのからだから『2%も水分が失われている』状態になっています。
体内の水分が2%失われるとのどの渇きを感じ、運動能力が低下しはじめます。3%失われると、強いのどの渇き、ぼんやり、食欲不振などの症状がおこり、4~5%になると、疲労感や頭痛、めまいなどの脱水症状があらわれます。そして、10%以上になると、死にいたることもあります。人間にとって水分の摂取は、欠かすことができないとても大切なものなのです。
大事なことは、喉が渇いたな…と感じる前に、こまめに水分補給をすることなんですね。
水分不足による4つの影響
[1]ドロドロ血液では赤ちゃんに栄養を届けることができない
水分補給を十分と行うことで、妊娠時に50%も増加した血液をサラサラで健康的な状態を維持することができます。
サラサラ血液でいることで、お腹の赤ちゃんへ酸素や栄養素をしっかり届けることができるようになりますし、母体の老廃物をしっかりと運んで排出してくれます。
これがドロドロ血液になった状態になると、赤ちゃんへ必要な量の酸素や栄養を送れないだけでなく、母体に溜まっている老廃物を届けてしまうことになります。
[2]羊水が少なくなると赤ちゃんへのリスクが高い
羊水といえば、赤ちゃんの成長を包むように見守ってくれているものですよね。
水分不足によって綺麗な羊水を保つことができなくなると、
- アトピー
- アレルギー性疾患
を持って産まれてきてしまう可能性が高まります。
また、羊水の水分量が少なくなってしまうと、子宮内壁に赤ちゃんが触れてしまうことに。
直接的な肌の接触が起こると、赤ちゃんのからだに障害が残ってしまうことも考えられますので、しっかりと水分を摂取して羊水の水分量を確保しましょう。
[3]便が固くなって便秘が悪化する
妊婦さんは、妊娠したと同時に便秘気味になる人が多くいます。
これは、子宮の圧迫やホルモンバランスの乱れによって起こることがありますが、水分不足になることで便が固くなってしまい、便秘が悪化してしまうケースも。
十分に水分をからだに取り込むことで、腸内の水分量が増えて便を柔らかくしてくれるので、スムーズに排便されやすくなりますよ。
[4]肌の乾燥がエスカレートする
妊娠すると体内の水分は、血液や羊水など赤ちゃんにとって大切な部分へ大量に使われることになります。
すると、ママさんのお肌の水分が不足してしまい、乾燥やひび割れ、シワになりやすくなります。
水分補給をしっかり行うことで、内側から肌を潤うようにしてあげて、外側からは化粧水などの保湿液を使って水分を肌に閉じ込めてあげましょう。
1日の水分補給の目安は?どのくらい摂取すればいい?
お腹に赤ちゃんを抱えている妊婦さんにとって、どれほど水分補給が重要なのかお分かり頂けたのではないでしょうか?
それでは、実際に1日どれくらいの水分を摂取するのがベストなのでしょうか?
となります。
一見とても多そうに見えますよね?
そこで、以下の『水分を摂取するタイミング』を参考にして、水分補給を意識してみてください。
目安の2~2.5L(リットル)の水分補給をするタイミング
- 【起床後・就寝前】
睡眠時には約500mlの水分が汗として失われています。また、起床後にはおしっこがしたくなることも多く、おしっこだけでも250ml以上の水分がからだから出ていきます。就寝前に200~250ml(コップに軽く1杯分)、起きた直後にも同量の水分を補給するようにしましょう。 - 【外出前・帰宅後】
外出すると、歩いたりと何気にからだのエネルギーを消費します。同時に水分が消費されますし、発汗によっても水分を失ってしまいますので、外出前・帰宅後にコップ1杯の水分を補給しましょう。 - 【入浴前後】
入浴時には私たちのからだから800mlもの水分が抜け出ていきます。入浴後には喉が渇くので、入浴後に水分を補給すればよいと思いがちですが、入浴前に体内の水分が少ないと入浴中にドロドロの血液になってしまいます。サラサラの血液を維持した状態で入浴するためには、入浴の約10~15分前にコップ1杯の水分補給をすることが好ましいです。 - 【食事前後以外】
後期つわりがひどい場合、食事中の水分補給はつわりを悪化させてしまうことになります。食事中に水分を多くとってしまうことで胃の消化能力が落ちてしまい、胸やけや胃もたれの原因に。食後2時間ほど経過してから補給するようにすると、つわりに影響を与えることなく水分を摂取することが出来ます。
上記のタイミングを参考にすることで、自然と水分を摂取することができます。
でも無理は禁物!
水分補給はとっても大切になりますが、つらくなるほどガブガブ飲む必要はありません。
特につわりがひどい場合は、食べ物や飲み物が喉を通りづらくなりますので、無理のない範囲内でできる限り水分補給に努めてみて下さい。
つわりの症状をやわらげる対策はコチラの記事を参考にしてください。
⇒妊娠後期つわり対策で症状を軽減!吐き気を抑える食事方法とは?
水分についての不安や疑問【Q&A】
ここでは、水分をどのようにして摂取したら良いのか、こんな水分の摂り方って合ってる?など、水分補給についての不安や疑問についてお答えしていきます。
[Q.1]水分を多く摂るとむくみやすいってホント?
[A.1]
これは間違いです。
「たくさん飲みすぎてもむくみやすいしダメって聞いたんだけど…」
というように、むくみが出ているからといって水分を摂るのをやめる人が多くいます。
【むくみ=水分の摂りすぎ】と思いがちですが、妊娠時に限っては、十分な水分を摂取していないと、体内の古くなった水分を溜め込んでしまう傾向にあります。
これは、妊娠時に増加する血液の循環をスムーズに行うため、体内に水分を多く保有しておこうとするから。
新しく水分が摂取されないと、体内の水分をどんどん溜め込んでしまって、むくみが起きやすくなりますので、むくみを解消するためにも、推奨されている水分摂取量はとりいれて、古い水分を排出させましょう。
ただ、1日5L(リットル)など過度に水分を摂取すると、低Na血症となり水中毒になってしまいますので、一度に大量の水分をとらず適量をこまめに摂取するように注意してくださいね。
[Q.2]水分補給に炭酸水(ガスウォーター)でも問題はない?
[A.2]
炭酸水(ガスウォーター)でも、水分を摂取できるのであれば問題ありません。
でも加糖されている炭酸飲料(コーラやファンタ、CCレモンなど)やスポーツドリンク(ポカリスエットやアクエリアスなど)、ジュース類は飲み過ぎると糖質過多になってしまう恐れがあります。
無糖の炭酸水を選んで飲むようにしましょう。
[Q.3]つわりがひどくて飲み物が飲めない…氷を食べてるけど大丈夫?
[A.3]
氷でも十分に水分補給ができるので、つわりがひどいのであれば氷を食べて対処しましょう。
ですが、食べ物や飲み物を全く受け付けない程つわりがひどい状態になった場合は、点滴による栄養と水分補給が必要になることもありますので、お医者さんに相談しましょう。
[Q.4]水以外のスムージーや味噌汁でも水分補給になるの?
[A.4]
水分補給できます。
水分は食べ物にも含まれているので、そこからの摂取も可能です。
ただ、お味噌汁の場合は比較的多めの塩分が入っているので飲みすぎには気をつけましょう。
妊娠中に塩分を摂取しすぎると【妊娠中毒症】になってしまい、胎児の成長阻害、流産・早産を招く恐れがあるので注意が必要です。
お味噌汁を多く飲む場合は、減塩味噌などで対処するといいでしょう。
[Q.5]妊娠中の水分補給に適さない飲み物って何?
[A.5]
まずは、
- カフェイン入り飲料
- アルコール飲料
は避けるようにしましょう。
カフェインは、大切な鉄分の吸収を妨げる働きや利尿作用があるので、水分補給が大切になる妊婦さんには悪影響に。
消化器官の機能が低下しつわりが悪化することもあります。
また、胎盤を通して胎児への影響も。
胎児は消化器官が未熟になるので、成長の阻害や最悪の場合は流産や早産のリスクになってしまいます。
アルコールは、胎児の発育不全や脳への異常を引き起こすことが確認されています。
胎児性アルコール症候群という障害を持って産まれてくる可能性がありますので、妊娠が発覚したときからアルコール摂取は控えるようにしてくださいね。
- 海外産ミネラルウォーター(硬水)
海外産のミネラルウォーターは、消化する際に腎臓に大きな負担がかかりやすくなりますので、体調が崩れやすい妊娠中には避けるべき飲料となります。
妊婦さんの水分補給にオススメの飲み物は?
カフェイン 利尿作用 赤ちゃんに影響 からだを冷やさないようにあたたかい
脱カフェインをしている
麦茶
麦茶って口当たりサッパリとして飲みやすいうえに、ノンカフェインなので安心して飲めちゃいます。
あまり知られていませんが、麦茶には【妊娠中に摂取したい『食物繊維』や『ミネラル』】が豊富に含まれているので、オススメです。
ですが、からだを冷やす効果もありますので、飲みすぎには注意してくださいね。
冷え性のママさんや冬場には、常温のものや温めて飲むといいですよ。
ハーブティー
ハーブティーには、リラックス効果や健康に良いとされる栄養が含まれていたりと、妊婦さんにオススメの飲み物になります。
[aside type=”normal”]ただし中には、女性ホルモンに不要に作用してしまい、お産に影響を与えてしまったり、腸の働きを促進させすぎてお腹をゆるくする作用があるものもありますので、飲む際にはハーブティーの種類に注意が必要です。[/aside]
そこで『妊娠中に飲んでも安心なもの・推奨するもの』、『妊娠中に飲むのを控えて欲しいもの・NGなもの』をご紹介します。
妊娠中に飲んでも安心なもの・推奨するもの
- ルイボスティー
- ラズベリーリーフ
- ダンデライオンルート
- ローズヒップ
- ネトル
- ホーステール
- カモミール
- オレンジピール
妊娠中に飲むのを控えて欲しいもの・NGなもの
- セージ
- ローズマリー
- セントジョーンズワート
- ジャスミン
- マテ
- アンジェリカ
- アロエ
特におすすめのハーブティーは、ルイボスティーになります。
ダイエット茶や健康茶としても知られていて、活性酸素を抑える働きがあるのでアンチエイジングや美肌効果も期待できます。
鉄分やカルシウムの他に、ビタミンC・マグネシウムも含まれていてとても栄養価が高いです。
様々な効能がある万能ティー『ルイボスティー』。
種類が豊富なハーブティーを選ぶ際には、まずはルイボスティーを選ぶと良いと思いますよ。
タンポポ茶・タンポポコーヒー
タンポポ茶・タンポポコーヒーという言葉を初めて耳にした妊婦さんもいるのではないでしょうか?
実はタンポポ茶やコーヒーは、タンポポの根を葉を焙煎して作られています。
ビタミンB、ビタミンC、鉄分やミネラルなどを多く含んでいるので、水分補給するついでに妊娠中に摂取したい栄養素も摂取できます。
また、飲むとからだ全体がポカポカに温まるので、冬場にはとってもオススメの飲み物になります。
便秘の改善効果もありますので、妊娠してから便秘で悩んでいるママさんにはピッタリですよ。
あずき茶
あずき茶は、生活習慣病の予防やむくみ改善効果があることで知られています。
カフェインはもちろん、カロリーもゼロ!
鉄分、カリウム、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB群など栄養素も豊富で、血行促進作用のある小豆ポリフェノールで冷え性改善にも効いてくれます。
ただ、小豆ポリフェノールは大豆ポリフェノール(イソフラボン)と同様、女性ホルモンと似たような働きをする為、妊娠中に過度に摂取するとホルモンバランスを崩してしまう恐れが。
1日に2~3杯飲む程度でしたら何も問題ありませんので、積極的に飲みたい飲み物になります。
ゆず茶
お茶といっても茶っぱを使うのでなく、薄切りに切ったゆずをハチミツに漬けたものを温かいお湯で溶かして飲む飲み物になります。
ゆずと聞けばビタミン類が豊富なイメージですが、ビタミンCの含有量はなんと、レモンの3倍になるんですよ!
ビタミンCは胎児の脳や血管、骨組織などを形成するためには重要な栄養素になりますし、つわりを軽減してくれる働きもあるんです。
また柚子には、『葉酸』という水溶性ビタミンB群の一種も多く含まれていて、こちらも胎児の脳や神経系統の発達に欠かせない成分になります。
葉酸は、妊婦さんには非常に重要な栄養素となり、母子手帳にも記載があるとおり厚生労働省が【毎日400μg の葉酸摂取】を推奨しているほど。
普段の食事やゆず茶からだけでは不足しがちな葉酸を効率よく摂取するためには、サプリメントで葉酸を摂取する方法もあります。
今では、からだに吸収されやすい葉酸サプリが多くありますので、1日に必要な量の摂取には葉酸サプリを活用しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
妊娠時期の水分補給が大切なのは、妊婦さんの身体だけでなく、お腹の赤ちゃんの成長にとっても水分がすごく重要だからなんですね。
今回は、
- 妊娠中はこまめな水分補給が大切
- 水分不足になると母子ともに危険なリスクがある
- 1日に必要な水分の摂取量
- 水分補給のタイミング
- 妊婦さんにおすすめの飲み物
ということをお伝えしました。
妊娠中の水分摂取は赤ちゃんの分も必要になります。
以上のことを意識しながら、コップ1杯ずつでも良いので、こまめに飲み物を飲むようにしましょう。
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